粉もん文化
1万年前には中央アジアで栽培が始まったと言われる小麦。
それが、東へ伝わって「麺」や「餃子」になり、
西に伝わって「パスタ」や「パン」「ピザ」になったといわれる粉もん。
粉にして、こねて、こねて作る料理が、
今や世界中で主流になっている。
とはいえ、「粉もん」と言われて、
ピザやパスタ、ラーメンを連想するというより、
やっぱりお好み焼きにたこ焼き、
いってみれば「関西地方」の食文化というのがピンとくる。
そこには「出汁」との出会いがあったことが大きい。
出汁を聞かせた生地(もしくは、うどんのように出汁につけた麺)を焼いて、食べる。
印象としては、粉もんは、
ジャンクであればあるほど、イメージがぴったりくる。
関西人は粉もん好き(確かに)、
関西の粉もんは旨い(確かに)、
関西人にとってはあまりにも身近すぎて、
お好み焼きの美味しい店教えて、と言われると困る(ケンミンショーより)、確かに。
そんな大好きで身近な存在は、
一週間、粉もんだけで生きろ、と言われても
余裕のバラエティーの豊富さ。
関西人は、お好み焼きに対して、
東京はもんじゃ焼きと考えてしまいがちだったり、
うどんの出汁が濃いなどと言ってしまいがちだ。
これは、裏を返せば、
それだけ「基準」が粉もんに合わせられていて、
東京で生まれ育った息子からすると、
「?」ということにもなりがちで。
だけど、東京だろうが名古屋だろうが福岡だろうが、
どこで育とうが粉もんは好きで、
それぞれの場所で、特徴のある粉もんがあって。
つまりは、このシンプルな作り方ゆえに、
アレンジが自由で、
それが長く続く中で継承し進化してきた・・・。
考えれば、考えるとほど奥深い食べ物。
なんだか、この(現在の)多種多様さは、元は同じ、というところに、文化を感じるし、
バーチャルで体験できない味に、大切さを感じたり。
2019年8月10日記