夏の高校野球・地方大会(西東京)
清宮、清宮。早稲田実業の注目度は凄まじく(2016年夏の大会)、八王子のグランドや、神宮球場は超満員。ベスト8まで残ると力は拮抗して、走攻守の実力以上のものが出るのが高校野球。甲子園に行くのは、本当に大変だ。特に、1強の地方都市ではなく、神奈川や大阪、東京など、まずは地方大会をしっかり勝たないとならない。
涙して、グランドの土をスパイクケースに入れるところをカメラマンが囲む「甲子園(全国大会)」の「負け」ではなく、地方大会には、何とも、もっと生の負けがあるからホットだ。
スペースを見つけて、大人数の野球部が制服姿のママ弁当を食べていたり、大型バスで吹奏楽と一緒にやって来て、団体で歩いているだけで威圧感のあるチームなど様々。試合には流れがある。昨年、2015年の大会で甲子園に出場し、一年生ながらも強豪チームの四番に座った清宮選手。父親はラクビーの監督で、奇しくも、ラグビーが日本ではブームとなった。そんな彼の二年目の夏。一年生部員、野村に四番を明け渡し、三番に居座る強打者は、敬遠紛いのフォアボールも多い。が、打球の速さは凄い。そして、ファーストの守備も機敏だ。
三番、清宮がフォアボールで歩き、四番・野村が意地のタイムリーで2点先取したこの日の試合(2016年7月23日
vs 八王子高校)。取られた後の、八王子高校のスタンドからの応援が素晴らしかった。その勢いで一気に逆転し、早実の投手の乱れを付いて6点。最後まで粘った早実も、及ばなかった。
そんな試合の最中も、次の試合の先取、さらにその次の選手までが球場の周りには居て。その全ての選手が、泣くか、笑うかの真剣勝負に挑むのだ、と考えると、こちらまでものすごくホットになる。日本全国、すべての球児が経験する地方大会。そこには、独特のホットが存在する。