大正2年に建てられた重要文化財、祇園甲部歌舞練場内にある八坂倶楽部にある「フォーエバー現代美術館」。「伝統と現代を融合させた生きた伝統の発信」をコンセプトに伝統的建築空間で現代美術の展示を行うというこちら(フライヤーより)。まずは、草間彌生展。居間(展示室)は4つ。狭いといえば狭いが、畳の部屋に飾られた現代アートが、なんとも融合していて気持ちいい。「黄樹」は横幅390cmの大作で、なんと写真撮影が可能。規則正しく、曲線と曲線が絡み合うと、迷子になりそうになる。隣の部屋ではニューヨーク時代の作品たち。「ぶどう」は葉っぱと実が同じ緑で、なんともいえない良い色。これまで、いくつも草間作品のかぼちゃを見てきたが、この空間で、「A PUMPKIN」(2007年 130.3X162.1cm)を見て、初めてと言っても良いほど心の底から素晴らしいと思った。色味、大きさ、規則正しさ、黒のはっきりしたところ、水玉(Dots)と背景の網(Nets)が絶妙だ。その他、自分の家に「雑草」なんてどうかな、と思える壁紙のような作品、二階に移動すると色鮮やかな連作。魚、花、蝶など、シルクスクリーンが続く。ラメの入った作品は、主張が見事。個人的に一番気に入ったのは「七色の富士」。太陽が、なんともいえなくいい。にっこりしている。能舞台の前におかれたカラフルな舟。「私の魂を乗せてゆくボート」と名付けられたそれを見て展覧会は終わる。
一階に下りて右折すると、ミュージアムカフェが併設されている。ここが素晴らしい。店内のセンス、メニューの豊富さ、味ともに、なんとも落ち着ける空間だ。日本庭園を眺めつつ、このハイセンスなジャパニーズモダンの時間が、なんとも贅沢。


フォーエバー現代美術館コレクション
草間彌生 My Soul Forever
YAYOI KUSAMA My Soul Forever

フォーエバー現代美術館 祇園甲部歌舞練場内 八坂倶楽部(京都・祇園)
2017年8月18日(金)

→ atelierに戻る