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京都市新景観政策

「平成19年9月1日から、京都市では、京都の優れた景観を守り、育て、50年後、100年後の未来へと引き継いでいくため、建物の高さとデザイン及び屋外広告物の規制等を全市的に見直した新景観政策を実施する」(京都市公式サイトより)

人口100万人を超す政令指定都市でこれだけの規制は日本で例がなく、任天堂や京セラなど本社をおいているとはいえ、観光客で潤っている京の街。その「魅力」をこわさないという試みだろう。この感覚、つまり街の景観を守るという「きまり」は、まさにヨーロッパ的。ローマなどの都市でもすさまじい。そういう観点から、ようやく国際基準になったかと。

具体的には、31メートルを超える新たな建物は、市街地のほぼ全域で建てられなくなる。中心部の幹線道路沿いで45メートルだった制限が31メートルに、内側(中心部のさらに中心)では、これまで31メートルだった規制が15メートルになる。ちなみに、京都タワーが131メートル、京都駅ビルで59.8メートル。物議を醸した京都市役所の前に建つ旧京都ホテル(現在のオークラ)で60メートル。高さの他に、デザイン面では、景観地区や風致地区などに指定し、屋根は傾斜屋根とすること。さらに日本瓦か金属板葺きとするなどの基準を設定している。

看板は、点滅照明をつかったものを市全域で禁止。現存のものも今後7年以内に撤去する。木屋町という学生が集まる飲み屋街なども少しは雰囲気が変わるかな。

最後に眺望。これは、五山の送り火など38の眺望を守る「眺望景観創生条例」を制定し、特定の地点や範囲から眺めた時に視界に入る建物の高さやデザインを規制する。(朝日新聞より)