中央アジアならではの
「麺」
ラグマン(サマルカンドにて)
中国発祥といわれる麺には、延ばす、切る、削る、押し出すなどいろいろあるがどれも美味だ。ラーメン、そば、うどんにソーメン、パスタはもちろん、刀削麺が無性にたべたくなる昼もある。
麺。小麦の栽培の歴史とその後の「食べ方」にルーツをたどれば、絹の道(シルクロード)は、いってみれば麺の道。一節には、パスタでさえ、中国からヨーロッパに用いられたというぐらいだ。
メソポタミアで小麦が栽培され、麺らしきものが生まれ中国へ。そこで完成した麺は、アジア各地と、シルクロード経由のヨーロッパまで?
そう考えると、中央アジアという土地柄、この「麺」は超初期と過渡期、完成後の移行期と様々な形の麺が存在するわけだ。
世界の麺を眺めると、アジアに多いのは確か。パスタだけがずば抜けてヨーロッパを席巻したように見える。ただ、一言でパスタといえど、種類は豊富で、スパゲティにリングイネ、フェットチーネにペンネなど、まだまだあるのがパスタだ。ふとうどんに例えると、細い稲庭うどんに太めの大阪うどん、コシのある讃岐うどんから平べったいきしめんまで。ラーメン通は、縮れやストレート、細麺、太麺などいうのだろうか。タマゴ麺や米麺の東南アジアも豊富だ。
そんなこんなの麺の「枝葉」を考えると、ふと原点回帰したくなる。という時は中国の内陸部へ。もしくは、今でも一般に食されている中央アジアへ。
シルクロードを東から西へ。つまり中国からロシアやローマへ伝わる中で、一番有名な麺がラグマンだろう。手延べ系の麺で、スープの中にいれて食べるうどんのようなもの。乾燥した空気と、強い日差しのもと、香辛料のきいたスープの中からすくい上げたラグマンは、一度は試してみる価値ありの一品だ。