【フランス料理】
BISTRO MILLE ETES ビストロ ミルエテ @代田橋
2010年12月18日(土)
ビストロ。気軽に立ち寄る小さな店という意味において、この店はまさしくビストロだ。気さくに話しかけてくれる若いシェフは、フランスでの修業時代の写真をレストルームに貼っている。ほぼ一人で料理をつくり接客する。5テーブルとカウンター。それらが一杯になると、さすがに忙しそうだ。ワインを頼むと白/赤の指定だけしてテイスティングしてくれる。このなんとも「ゆっくりくつろいで」もらいたいサービスと、実際にたまった注文。その両方をほぼ一人でこなそうとするから、やはりどうしてもバタバタと忙しそうだ。同行者曰く、その「忙しさ」が料理にも出ていると、手厳しい。
コースは、オードブルとメインがそれぞれ8種ぐらいから選べる。夜7時半に来店した時点でオードブルの2種は売り切れという状態。ただ、味・量ともに不満はゼロだ。ただ、もう一回、わざわざ足を運んでまでという料理のレベルには達していないかもしれない。が、わざわざ足を運ぶならシェフの人柄だろう。
一通り全てのテーブルにサーブをし終えると、シェフは各テーブルをまわる。そして気さくに話してくれる。野菜に関して「変態」という自らおっしゃるとおり、メインの皿には珍しい野菜が散りばめられている。ブロッコリーとカリフラワーのかけあわせ、ロマネスクという野菜、など。そのメイン。肉と魚を一皿ずつチョイス。ガーリックのきいたソースに柔らかい牛ロースは、これでもかというほどに口の中に広がる。真鯛の皿は、爽やかできちっとパンチのきいたソースが食欲をそそる。が、この日は混雑していたため、アミューズからオードブル、そしてメインまで、なかなかサーブされない。その間に、シェフの助手の男性が次々に自家製のパンを補充してくれる。それが無性にオイシク、ぱくぱく食べてちょっと満腹状態になるという失態。そんな胃袋事情もあって、「感動する一皿」とまではいかなかった。ただ、店内を包む気軽さ、シェフの人柄、これは間違いなく心地良いもので、「お口にあいましたか?」とメインの皿を下げてデザートをサーブしてくれるシェフは、この先数年でびっくりする変貌を遂げるかも、なんて、一客として楽しみだ。デザートのショコラ、今でも口に粘り着く嫌味のない甘さだった。
プリフィックスコース \3,800円
アミューズ3種
オードブル(選択)
メイン(選択)
おまかせデザート3種
パン・雑穀米
コーヒー・紅茶
【写真】上段:アミューズ/鴨と白レバーのテリーヌ/自家製スモークサーモンのレモンクリームソース
中段:パン/牛ロースのグリル シャリアピンソース/本日の河岸より鮮魚(真鯛)
下段:デザート(柿の蜂蜜あえ チーズケーキ グレープフルーツのジュレ)/(ヨーグルト ショコラ)