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2010年の今年、羽田空港の発着枠拡大と、団塊世代パイロットの定年期が重なり不足気味のパイロット。航空会社は、安定した操縦士の確保が課題となっている。そこで、今国会に提出される航空法の改正法案で操縦資格の新設がなされる。それがMPL(マルチクルー・パイロット・ライセンス)だ。ちなみに、操縦資格の新設は1952年の航空法制定以降初めてらしい(朝日新聞参照)。
MPLは、2人乗りの機体限定の資格。通常、1人乗りの小型機で十分な訓練(航空会社に入社してから3年ほど)を積んでから、2人乗りの機体(大きいな機体)に移行する必要があったが、新資格では1人乗りの小型訓練を大幅に短縮。初期段階からシュミレーターを使って営業運行に実際に必要な技術を磨いていくという。その期間は2年〜2年3ヵ月ほど。航空会社にとっては、費用も軽減できるし、実践的だとして安全面に不安はないという。
ロストジェネレーションと呼ばれる就職氷河期の大卒新入社員は3年で辞める、なんて聞いたことがある。その3年で辞める新入社員たちの「研修期間」は業種によっても違うだろうが、例えば半年だとして、その半年間は利益をうまない。3年間、副操縦士になるまでの新人パイロット育成機関の費用が、航空会社にとって負担なのは分かる。が、何となく、個人的な感覚では「オートマ限定免許」のような感じがするのだが、、、。実際に運転免許をとってから運転する車はほとんどがオートマ車で、だからマニュアルなんていらない。それがイコール安全面に問題なしといいきれる自信はない。2人1組で運行する航空機。そのため「限定」の資格を持ったパイロットは、「1人で操縦しなければならい緊急事態」が起こったとき(例えば、1人が意識をなくすなど)、メンタル面はどうだろうか?小型機であっても、1人で運転するというメンタル面のタフさは、、、さて、大丈夫だろうか。
何となくだが、そして何の根拠もないが、円周率を「3」にした世代の初等教育を思い出してしまう。