出てきて、サンパチマイクの両サイドで、しゃべり一本。笑わしてサッと下がる。それだけのパフォーマンスで仕事になる漫才師。テレビの尺よりも長く、何より、「笑いを見るために足をはこんだ」「生のお客さん」の前出のパフォーマンス。

生のお笑いライブ特有の、空気感が張り詰める。

ある人は、そんじょそこらでは笑わないぞ、というのもあるだろうし、その分、ステージ上での話に集中している。

ルミネ THE よしもと。土日の出番は有名どころが並ぶ。2024年10月13日、日曜日。午前11時の部。ネタは、千鳥、ミルクボーイ、シソンヌ、見取り図、ニューヨーク、ミキ、紅しょうが、天才ピアニスト。

この前日、キング・オブ・コントの決勝が行われ、初めて審査員になったシソンヌのジローさん。翌日、相変わらず、ものすごくシュールに独特の世界観のコントを繰り広げた。天ぷら。揚げます。クスクスが止まらなかった。

ミルクボーイやニューヨークが、ネタをしっかりやる中、ミキや見取り図は客いじりも含めて、生ライブ感を出してくれる。

最も、「あ〜、生だなぁ」と思わせてくれたのは千鳥。ここまでキャリアを積んだ漫才師が舞台に立つという余裕。それがやんわり、ふわっとした空気感を作りながら、舞台上の二人だけで笑い合う。ちょっと客を置いていくところもあるが、ぐいっと修正して笑わせてくれる。

こういう笑いが、生ならでは。個人的には大好きだ。一方でミキは、激しくスピーディーに。知っているネタも、新しく感じさせるのは、アドリブを混ぜまくるから。漫才師として、貫禄が出てきましたね。

よしもとならでは、という意味では、このネタの後に新喜劇のような寸劇があること。この日の座長はホンコン。『くらやんの、ウエディング・ウォー』。ほんこん、シベリア文太、大山英雄、芦澤和哉、野性爆弾 ロッシー、内海仁志、チャド・マレーン、三瓶、鈴木那奈。自由にはちゃめちゃにやりつつ、最後に(強引に?)しめてくる寸劇は、好き嫌いが分かれるだろうが、関西人にとっては慣れた感じの笑い。これも、また、生ならではの笑いだ。


2024年10月27日


 

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