国立競技場
東京都
1958年、東京にオリンピックを!という招致に合わせてできた国立競技場は、第18回オリンピックと第3回アジア大会に使用。その後、多くの国際大会やサッカーなど聖地として君臨する競技場である。ちなみに、このスタジアムのコンセプトは「力強さ」「簡潔」「優美」。
半世紀以上も経って、さすがにロッカールームやシャワールームなど古さは否めないものの、丁寧に経年したもののみが持つ重みのようなものが確かにあるし、「国立の芝」はスポーツをする者、特にサッカー選手には特別。2020年、東京にオリンピックが来るのを機に建て替えられ、2014年の6月から解体が始まる。
2014年5月4日。SAYONARA国立競技場プロジェクトの一環、スタジアムの見学ツアーに参加した。GW唯一にして、この後、平日しか見学ツアーがないということもあってか、ものすごい人出で、気の遠くなるような列を並んでの入場だった。
芝への立ち入りは禁止。東京オリンピック、世界陸上など、メダリストの名前が記された所を見て、スタジアムへ。ロッカールームやシャワールームを見ることもできた。そして、最後のハイライトは聖火台まで。バックスタンドからメインスタンドをみる眺めが圧巻だった。スタジアムの向こうに新宿の高層ビル群が見え、この大都会の中に、この「典型的」でシンプル、そして丁寧に手入れされたスタジアムがあることの意味をかみしめてしまう。
未来。次のオリンピックのために、ここは「新国立競技場」として生まれ変わる。イギリス人建築家ザハ・ハディトの奇抜なデザインが話題になっているが、箱は箱。それが馴染み、育てていくのはぼくら東京、そして日本にする者たち。また新しく「丁寧」に育てていきたい。