日本海に面して全室オーシャンビューのお部屋を有するこちらの旅館（ホテル）は、加賀谷グループの一員。ロゴや空間デザインが女性向きで、宿泊客の多くが若い（カップル）や家族が多いのが特徴だ。

チェックインの15時前、加賀谷の裏側のような道の突き当りに虹と海はある。迎えてくれたスタッフの感じがとてもよく、それだけで好評価。おそらくは居ぬき物件のリノベかな？と想像しつつ、1階はとてもモダンな造りだ。印象的なのは、エントランスとフロントを突き抜けるトンネルと、ベネチアのゴンドラが展示されていること。

部屋は特別室と和洋室、そして和室。フロアによって分かれる。どの部屋も、リノベが終わっていたらキレイで、まだリノベが入っていないところは古めかしい。水回りの古さと、テーブルや柱の傷が気になるものの、リノベの住んでいない和室でも十分満足だった。とにかくオーシャンビューが気持ちいい（これが湾ではなく、もっとオーシャンだったら、と思いつつも夕日は見事だった。

温泉は男女でそれぞれ一か所。ワンフロアを全部使って、広々とした内湯と小さな半露天風呂。とてもしょっぱい温泉だった。うれしいのはサウナがあり、水風呂もあること。夕方、夜、朝と、別々の「光景」が広がるので、一つの温泉でも飽きることはない。個人的には、夜の、真っ暗な「外」から、波の音だけが聞こえる露天風呂は、心身ともにリラックスできた。

この宿でいいのは、ビュッフェスタイルの夕食と朝食。夕食は、肉と天ぷらが目の前で揚げられ、一つ一つ手の込んだ食事が並ぶ。結果、食べ過ぎてしまう。90分の時間制限あり、夕食は17:45～、と、19:30～の2部制。特にうれしいのは、朝の干物。たまご好きには、目玉焼きにスクランブルエッグ、温泉たまごに目の前で焼いてくれるオムレツ。

フリードリンクのバーあり、多目的室もあり、ビリヤードにマージャン、カラオケといった一昔前の温泉旅館、という設備も残っている。とにかく、この宿の特徴はアートだ。各部屋にも絵画があり、2階、3階には、絵画作品、陶芸作品、そして空間そのものがアートに仕上がっている。

15時にチェックインして、翌朝10時にチェックアウトするまで、宿の中で十分に満足な時間が過ごせた。

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