関空2期空港島見学ツアー
2007年5月8日
見学台から関西空港第2滑走路を眺める。アスファルトのねずみ色が非常に濃い。ジーパンで言うなら色落ち前の感じだ。振り返れば、第1滑走路が13年分の色落ちをした「味」でもって太陽に照らされていた。
1994年に開港した関西国際空港に、今年8月、2本目の滑走路が誕生する。
空港ターミナルビルと第1滑走路のある島を「1期空港島」と呼び、大きめの川幅ほどの海を挟んで、その奥に「2期空港島」が埋め立てられている。この人工島をつくるために、甲子園球場数百杯分の砂を使ってます、なんて言われても想像に及ばず……、僕は、夏の大会で負けた高校球児が、スパイクケースにかき集めてるシーンを思い浮かべ、いうならそんな球児たち数百億人分だなとか、いやもっとか、なんて計算していた。とにかく「ごっつい」量の砂なんだな、と計算を放棄して途方に暮れた。そんな砂を埋めては固めて、また埋めてと…。
砂を運ぶ巨大トラックが空港島を走り回っていた。そのトラック、なんと46トントラックという。
人工島である空港島には人は住めない。ただ、ひとりだけ住民票を持つことができるのは所長だけです、なんていう「へぇ〜」的な情報もありつつ、バスに揺られて見学する「2期空港島ツアー」に参加した。
2期空港島にターミナルビルはない。乗客は、ゲートから搭乗して飛行機でゴロゴロと1期島から2期島まで移動するらしい。それでなくても、関空は飛び立つまでが長い。のに、自分の飛行機が第2滑走路から飛び立つことを考えると、少しため息がでる。飛び立ち時よりも帰りだ。着陸のあと、どれだけ移動するのだろう。それを考えると尚憂鬱だ。
1期島と2期島の間の海をグラスボートで見学する。透明度…ゼロ。僕が見学した日は、透明度的に三段階評価の最低ランクだったらしく、普段はもっと見えます、とガイドは言う。このあたりの海は、生き物が豊富にいるんです、と強調されると、「そんな海を埋めるの?」と皮肉めいたことまで言いたくなる。それにしても工事中だ。今年8月にオープンするとは思えないほど、トラックが走り、作業員が動き回り、砂埃は舞い、風と日差しがきつい。よく聞いてみると、8月にオープンするのは滑走路だけで、その他のエリアは、工事を続けるらしい。今回の4,000m級の第2滑走路に隣接する旅客ターミナルの建設、さらには、第3期工事として3,500mの滑走路なんて話もあるので、関西空港、まだまだ巨大化しそうだ。が!それが必要かどうか、もっと言うなら、つくっても「大丈夫か?」を、もう一度考える必要があるのでは?
確かに海上空港という性格上、騒音問題はない。が、たかだかグランドにできた水たまりを埋めるのにも相当な手間と時間がかかった僕の経験上、海を埋めるなんて…。時間と費用がかかりすぎる。作ってから考えるのではなく、考えてから作るというか。
大型連休明けの平日ということも確かにあるが、「これが国際空港か?」というほどに関空ターミナルビルはガラガラだった……。