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『パタゴニア』で有名な作家であり永遠の旅人ブルース・チャトウィンが「What Am I Doing Here?」の中で記載している。
遊牧民を意味するノマドという単語は、牧草地の意味をもつギリシア語、ノモスからきている、と。
さらに、正統のノマドは移動する遊牧者で、家畜動物の所有者・飼育者である。
ノマディズム(遊牧生活)はかなり広範な地域で生まれ・・・土地がやせていて経済的に耕作できない地域・・・では、動物たちは移動することによって、その個体数を支えているのだろう。遊牧民にとっては、移動することが精神基盤である。移動しなければ死んでしまう。・・・遊牧民は目的もなくただあちらこちらさまよっているように記述している辞書もあるかもしれないが、そんなことはない。遊牧民の移住は、牧草地の状態の予測にもとづく計画的な移動である。これは野生動物の移動と同じように融通がきかない。なぜなら、同じ環境上の要因によって決定づけられるものだからだ。
精神的なノマドというチャトウィンの、この感覚が、今のこの時代、世界の大変革の中では、必要なのかな、と思う。
2012.09.30記