お好み焼き

経堂にて

イッツ・ジャパニーズ・スメル。
私が初めてアメリカに行き、ホームステイ先でお好み焼きを作ったら、高校生のアメリカ人少年が「日本の匂い」だね、といった。そう、このソースの、個人的には「おたふくソース」の、鉄板にこげた匂い。服についたり、髪についたりと、あとあと大変なことはあっても、やっぱりやみつきにあるこの匂いに、ホッとする。

高校時代、部活終わりで近所の「500円」びっくりお好み焼きの店に通い、食いまくった思い出。たぶん、関西で育ったことも大きかったのだろうとは思うが、お好み焼きは私の中で最も親しみのあるB級グルメだ。

最近、鉄板焼きに混じってお好み焼きが高級化しているところに不満はあるが、それでも良心的な値段で美味しいお好み焼きを食べさせてくれるところがある。そういう店の、「Asahi」なんてビールメーカーのロゴが入った小さなコップの、ちょっとべとついた木製の椅子とテーブルの、磨きつつ使い込まれた鉄板の、そういう全部に、私はホッとする。