世界一へと挑む、サッカー日本代表の進化論。前回のカタール大会でドイツ、スペインを破ったサムライブルー。それでもベスト8の壁は越えられなかった。あのクロアチアの敗戦からのサムライブルーの進化論。それが、この映画だ。今月から始まるW杯の前に、劇場の大画面で見られて、本当に良かった。
W杯をまたいでの森保監督の続投。そこからの快進撃。クロアチアの敗戦から、新チームになったサムライブルーは強かった。負けないチーム。そんなムードがあった。選手の層も厚い、強豪クラブでプレーする選手も多い。そんな選手と、監督・コーチとの距離がいい。選手のことをしっかりみて、信頼する監督。監督の意図をしっかりと理解して体現するスーパースター達。
転機は、アジアカップ。圧倒的な強さで勝たないとならないという変な奢りとプレッシャーの前に、まさかの準々決勝敗退。全てはそこから始まった。アジアカップの後、多くの選手から聞かれたことは「パッションがなかった」(森保監督)ということ。そこで長友が招集され、結局、本大会のメンバー入りも果たし、5大会連続の出場という快挙となった。W杯アジア二次予選。とにかく失点を抑えること。しっかり守ること。全員で守り、全員で攻撃する。
アジア最終予選は、圧倒的な攻撃力はもちろん、失点がなった。そこが進化したサムライブルー。選手同士で話し、コーチングスタッフとも連携が素晴らしい。名波コーチの存在は、大きいように思えた。次は、名波ジャパンかな、とまで思える。宮本や長谷部といった人物本位より、やはりしっかり見て、判断できて、会話ができて選手との信頼関係が築ける監督。それに尽きる。
データがしっかりと集まるようになった今だからこそ、代表選手の練習量もこまかく数値化される。まだ止めたくないという選手と、駄目、今日はここまでと止めるコーチ。これは、公園からなかなか帰らない子どもを見ているようでもあった。微笑ましい。
遠藤や富安など、けが人が出ても、かわりのメンバーが入ってきて機能する。チームが一つの生き物になっている状態。それが今の日本代表の強さ。
遠藤航は、アジアカップ後、理想を求めすぎることを止めたと言った。そして、現実的にもっともいい選択ができるようになった、と。サムライブルーは、カメレオン的に、相手によって、はたまたゲーム展開によって、変われるチーム。オフト元日本代表監督も言う、チームは一つの生き物だと。元気なときも、病気の時もある。成長もする、進化も退化もする。データを集めるスタッフ、そのデータを元にコーチングスタッフが居て、監督とのコミュニケーションがある。
その監督と選手達の信頼関係。今のサムライブルーの強さは、この連携だという。森保監督は「おりこうさんになれといってるのではない。ただ、チームを乱すものは、どんな中心選手でもはずれてもらう」と。チームのために、自分を活かす。チームに、自分の意見をしっかりぶつける。そして徹底的に話す。その上で、チームのために、自分を化かす。それぞれ個々の実力は凄まじい。ただ、その個と個の連携が、過去にはないほど、今のサムライブルーはすばらしい。
まさに無数の個性がある中で、今のサムライブルーはひとつの生きものになれている。ONE CREATURE。6月15日からのFIFA W杯2026 北米大会が楽しみすぎる。
映画といて作品として楽しめる構成で、特に、ブラジル戦の前半、後半の見せ方、イングランド戦の目線。本当、劇場で見て爽快な作品だった。
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SAMURAI BLUE
Project for FIFA World Cup 2026
ONE CREATURE
無数の個性、ひとつの生きもの。
2026年(日本)
監督:岸枢宇己
出演:森保一
遠藤航、三笘薫、堂安律、鎌田大地
サムライブルー(サッカー日本代表)
ナレーション:瑛太