新しい元号は、「令和」であります。

そして、令和と書いた台紙(額)が掲げられる。
平成の発表時との違いは、官房長官が立っているか、座っているかぐらいで、
そのままのなぞりっぷりだった。
もう一つ、違いをあげるなら、
今回の新元号発表は、
崩御に伴うものではなかったことも関係して
注目度が非常に高った。

さて、平成という元号は、『史記』と『書経』の漢籍が典拠であり、
内平外成(内平かに外成る)、地平天成(地平らかに天成る)という、
「国の内外。天地ともに平和が達成される」という
意味であったという(ウィキペディアより)。

それに対して、「令和」は
『万葉集』が典拠。国書からとったことが話題になった。

<序文>

「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を開き、蘭は珮後の香を薫らす」

から、令と和の2文字。

なんとも薫り高いものとなった。

令月とは、「何をするのにも良い月」
「素晴らしい月」「めでたい月」という意味があり、
それに「和」を組み合わせる。

第一印象、命令の「令」という冷たく
マイナスのイメージがあっただけに、
そこからのぶり返しが大きかった。

日本の、古来の、
なんとも美しい情景からとった元号は、概ね好評価。
これで明治からの頭文字は M・S・H・Rとなった。

ちなみに、昭和の典拠は、
中国の『書経』から、「百姓昭明・協和万邦」という言葉で、
意味は「国民の平和と世界の平和の共存、繁栄を願う」ということだ。

令和には
スローガンのような「一致団結だ!」「根性だ!」的な暑苦しさが一切なく、
非常に淡々とセンスがあって、都会的。

「令和」という元号には、
この先の日本の進むべき道があるように思う。



2019年5月18日記