am 08:59
Rickie-G (2008年発売)

Everybody Needs Love and Harmony
Life is wonderful (album version)
No Peace No Life feat.CHOZEN LEE from FIRE BALL
134 (album version)
逃飛行 (album version)
スターオアダスト
Game
Born again
ラブソウル
am08:59
Close your eyes



リズムよく心地いい圧倒的な音と、存在感抜群な声。なのに、力みがゼロという、この世界観。聞いていて、ほんと気持ちいい1枚だ。全体がひとつになって、まるで交響曲をきいているようでも、あり。レゲエのリズムが、時々しっとり聴けるというのも、不可思議な世界だ。年を重ねる度にしみてくる。

ウフフッフ、フッフー、ウフフッフ、フッフー(ハッピーバースデー トゥユー)の鼻歌で始まる「Everybody Needs Love and Harmony」。“ドレミで繋がる世界がここにある” 戦争もない世界。歌い続けよう、というアカペラから

代表曲「Life is Wonderful」へと続く。“生きてるって、生きてるっていいだろう?” 全体を通して、何とも力強い歌。何度聞いても、いいな。ただ、アルバムバージョンよりも、原曲のほうがいいかな。

“No more war。高々とshow! Peaceのサインを”と「NO PEACE NO LIFE」。「134」は、なんだろう、全体の中でとても調和的な一曲。“ここから生まれたすべてのメロディーでつくりだす
 このgood good good music 上を向けば空も飛べそうさ134”

ここら辺から、アルバムの世界へどっぷりしたり、長いドライブで窓をあけて風の音が心地良いとか、そういう溶け込みがある。

「逃避行」は好きな一曲。
“きれいに色ずいた命ある芽よ花よ
 逃避行という名の 永遠の我が青春
 スーツケースから あふれ出るぐらいのプライド
 抱えながら今おびえて生きている
 何と言われたっていい あおの空の向こうへ”

ちょっと雰囲気の違った曲がここから2曲。「スターオアダスト」は、ファンたちという言葉が、とても心地よく入ってくるリズム。「GAME」は作曲者が違うからか、なんとなく変化球。

“現実は濁ったフレー色の社会さ
 だからカラフルな広告は何かを分けたがる”

ここでガラッと。森の中へと誘われ、鳥がさえずり、優しい音で、ゆったりとした歌声で。詞も曲も別人なので、違う世界感なのは納得だが、女性の詞の世界というか。そういうのが、このタイミングで、とてもいい。

“光に満たされた水の中で
 私は自由に泳いでいた
 夜があけて夢からさめるとき
 昨日の傷みはどこかに消える

 そして私は生まれ変わるもう一度
 深く行きをして空を見上げて歌い出す
 そして私は生まれ変わるもう一度
 光の輪を幾度も通り抜けて踊り出す”

最後は怒濤のヒットソング2曲。「ラブソウル」は、“もうおかしくなっちまいそう イエーイ毎日が最高”。これだけポップに歌い上げるのは、本人の意思かな?と疑いたくなるほど。作曲者が違うので、まぁ、こういうザ・レゲエ的な、太陽燦々の一曲もいい。

最後、「am 08:59」。名曲だ。
“歩いてきた道 ぽちぽち引き返してみて
 同じ歩幅で一歩一歩振り返ってみる
 そう 僕の前の理想、現実、過去、未来含む
 今という自分に出会うために
 溢れる夢に答えを出す代わりに何か
 失うのはわかっているからなんだけど
 ゆらゆら道に迷いながら行ったり来たりで
 前に進むには時間がいるよ”

これは本当に良い曲だなぁ、と余韻に浸るように、最後は、目を閉じて……。インストゥルメンタルで終わる。

ジャケットの色使いから、ザ・レゲエな一枚を連想させながら、やっぱりこの声は、ジャンルを超えてグッとつかまれる。


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