(京都・二条城にて)

さくら

あれは何処の国だったか。日本人のぼくに「サービスだよ」と言わんばかりに「さくら さくら」を演奏してくれた人たちがいた。なるほど「ニッポン=さくら」ね。こんなにもなじみ深いハナはそうない。イメージするところ、さくらは「始まり」。入学式の校門の横で咲き、いや卒業式にも咲いていた、さくら。いつも「始まり」だったような。そんな入学・卒業なんていう分かりやすい節目がなくなった「大人」のぼくにとって、さくらはホッとできる癒しになった。ドキドキワクワク、不安だった「あの頃の感覚」も思い出されるし、今、ここでこうしてるっていうことを一呼吸おいて考えられるし。
春の天候、ちょっと汗ばんだTシャツに、スーッと冷たい風が通る午後。太陽も緑も遊歩道もすれ違う人も、とても笑顔でやわらかい。
ベンチに座って、そんなさくらをぼんやり眺める時間と空間。ホッとする。
尚、平日であれば言うことなし。