↓1999年11月28日、初めて訪れた白川郷
日本の世界遺産の代名詞的な存在でもある白川郷(合掌造り集落)。法隆寺や姫路城とは違い、え?何処?という始まりから、一気に人気観光スポットとなった白川郷。
私が初めて訪れたのは、15年以上前の1999年。社会人1年目だった。それも雪の合掌造りになる前の11月の終わり。なんとも、ただただ寒い光景だったのが、今回は新緑の5月。それも自分の息子を連れて行くとなると、なんとも感慨深くもあり。そして、山々が輝き、突き抜ける青空。桜は葉をつけながらもまだ残っていて、鯉のぼりに息子も感嘆したりして。白川郷が丸ごと持っている雰囲気に、人気があるのはなるほど納得だ。が、である。ここは完全な観光地だ。
観光バスが連なり、外国人だらけ。土産物屋と宿泊施設が続き、所々に食事処もあって。橋を渡って、はい、白川郷という始まり方も、どうもひとつのエリアに入っていくような(テーマパークで言うところの)。そんなことをぶつぶつつぶやきながら、ぼやきながら歩く。明善寺から和田家に向けて……。と、洗濯物が干してあり、茅葺きを放棄したのか、もともとそうじゃないのか普通の屋根の民家もあり。自家用車が入ってきて駐車する。そんな光景を見ていると、ここが一気に「村」になった。
村が一つまるごと「観光地」になっていることに改めてあっぱれ、となる。ここに住んでいる子供が数人で木陰で遊んでいる。お姉さんが小さい子を連れて。連休中、学校が休みの日の一幕。全部がちりばめられて、それらが一つになったここは、それ(観光地)をそれとして、受け入れた後、「はい、どうぞ」と世界遺産なのだ。そこに気持ちよさを感じ、橋を渡って、村を後にした。
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