■RANK:2nd

『そば切り 十六夜(いざよい)』(箱根湯本、神奈川県) 2011年10月22日

蕎麦のページを作りたいな、と東京に来てからは特にずっと思ってました。旨い蕎麦屋が多いからです。これだけ単刀直入に旨さが表れるメニューも少ないし、何より蕎麦がやっぱり好き、だということもあるのですが。なかなかそれでも「これ!」というものに出会えなかったのが本音で。こうなれば、【自家製粉】というものにしぼって蕎麦屋を巡ってみて、その時の空腹状態やらなんやら諸々関係あるにしても、とにかく直感で「そば」「つゆ」「薬味」「茶」「値段」の5つを10点満点で勝手に採点して、RANKING形式でクエストしてみよう。と思い立って始めました。まずは、これ!と思った箱根湯本の蕎麦屋さんを基準に、出掛けた先々で蕎麦巡業をしたいな、と思います。

もりそば 900円
■そば:9点
■つゆ:9点
■薬味:9点
■茶:7点
■値段:5点
合計→→39点/50点

そば好きの店主が、そばを食べ歩いて行き着いた味。それが「十六夜」のもりそば。
店内は現代アートを施し、皿や箸などモダンデザインに包まれている。大丈夫か?と思うほどの店内からは想像できない味。これが邪道なのかどうかも分からないが、とにかく旨かった。個人的に、ハッとするほどの代物だった。
そばは細いながらしっかりとしたコシ。つゆがすこぶる旨い。薬味はどれも素材重視で、だされるそば茶も普通に旨い。一枚900円のもりそば。それを「平均」として5点。そこから始めてみたい。
2011年10月22日(土)食す。

そば屋と言えば「翁」。達磨ともいえるのか。関西に居た頃、「なにわ翁」で食べたあの感動が今も舌に残っている。その「なにわ翁」も今やミシュラン星付き。恵比寿の翁もミシュラン店だ。そんな「翁」の暖簾を掲げるこちら「しながわ翁」。北品川の駅を降りてから、実に分かりにくい。そういう一角に小さな店舗を構える。が、客足が途絶えることはない。かといって超人気でもない。なんとも昔ながらの客と店主の関係がある。居心地が、いい。そばは店内二階にある石臼で引いたそば粉を手打ちする。とにかく満点だ。コシ、のどを滑る感じ、そしてちょっとひっかかる後味まで。素晴らしい。そのままずるずると、〆にいただくのはもったいない。これはもう一品目からイキタイと思わせる。
文:2011年11月12日(土)食した後。

もりそば 950円
■そば:10点
■つゆ:10点
■薬味:8点
■茶:7点
■値段:8点
合計→→43点/50点

『しながわ 翁(おきな)』(品川、東京都) 2024年7月18日

■RANK:1st

『そばきり 典座』(千歳烏山、東京都) 2012年2月4日

■RANK:3rd

広々した店内は土曜日の14時前という時間も手伝って、なんともゆったりできた。まず出されたお茶が美味しかった。せいろは大盛りを頼むと2枚に分けて出してくれる(大盛りは1100円)。コシがある。喉ごしもいい。香りも豊だ。店内に石臼が置かれている。日替わりでセットメニューを出すこのお店、この日はふく鍋だった。あ〜なんとも幸せな時間だ。店内の雰囲気にそばのコシ。ずるずるいける瞬間が格別に思える。ちょうど善き頃合いで二枚目を出してくれる。美味しいお茶は、なくなればすぐに注いでくれる。二枚をぺろりと平らげたあと、そば湯。これは驚きのとろとろ具合。ものすごく美味しかった。
2012年2月4日(土)食す。

せいろ 750円
■そば:8点
■つゆ:8点
■薬味:7点
■茶:8点
■値段:7点
合計→→38点/50点

とにかく、コシとのどごし、蕎麦がめちゃめちゃ旨い。
せいろと田舎そばの2種類ある。天麩羅の酒類も豊富で、かき揚げは1300円、穴子と野菜2種がついて1500円。せいろの大盛りは200円増。上北沢の南口、駅前すぐの場所に道をはさんで蕎麦屋が2軒。閑静な住宅街が続く肋骨通りの入り口に位置する。昼時を外して訪れたのでベビーカーのまま入ることが出来た。ピーク時は相当忙しそうだ。店内はこじんまりと狭い。店員の方はとても親切で気持ちいいお店だ。
2012年07月14日(土)食す。

せいろ 780円
■そば:9点
■つゆ:7点
■薬味:7点
■茶:6点
■値段:7点
合計→→36点/50点

『蕎麦切り 旗幟(きし)』(上北沢、東京都) 2012年7月14日

■RANK:5th

■RANK:6th

もちもちした食感の蕎麦は、個人的にど真ん中のストレート。非常に旨い。昼時ともなると、丸の内という場所がら、「待つ」こと前提。それでも、食べる価値はあり。打ち立ての蕎麦をずるっといくと、何とも爽快。茶、薬味は邪魔せず、この時期でもその日の気温に合わせてだろう、そば茶には氷が入っていて気持ちいい。そんな気遣いもうれしい。天麩羅が、何とも旨かった印象が大。
2012年10月06日(土)食す。

もりそば 750円
■そば:8点
■つゆ:7点
■薬味:6点
■茶:7点
■値段:7点
合計→→35点/50点

『手打ちそば 石月』(丸の内、東京都) 2012年10月6日

■RANK:6th

そばに山芋でもねりこんでいるのか?食感といい、ぬるぬるした感じはそう思わせる。ほぼ十割そば。つなぎがすこし全面に出てきているらしい。写真はせいろの大盛り(300円アップ)。昼間にもかかわらず席は満席。この日は栃木県産のそばの実を自家製粉していた。店内にそんな案内が出る。店は少し広々して(各テーブルが)、落ち着ける。新宿から京王線で2駅、駅からも徒歩5分で、遠すぎず街中すぎずで丁度いい。個人的には、元々住んでいたエリアなので、土曜日の昼食にかなりお薦めの一軒だったりする。
2011年12月10日(土)食す。

せいろ 800円
■そば:8点
■つゆ:7点
■薬味:7点
■茶:7点
■値段:6点
合計→→35点/50点

『手打蕎麦 まるやま』(代田橋、東京都)

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■RANK:8th

十割、九割、八割と冷たいお蕎麦は選べます。
ということで、十割と九割を食す。蕎麦の香りが鼻を通ることがなかったのは残念。深大寺という観光地の一角にある茶屋だけに、ゆったりと蕎麦を頂く雰囲気よりも、どこかささっと食べるような雰囲気。
古い歴史を持つ深大寺そばだけに期待値が高かったことがこのスコアになったのかと。水車で石臼を回すのか、雰囲気は十分。店の外で打っている蕎麦だんごがやけに旨そうだった。
2012年12月01日(土)食す。

十割そば 1,000円
■そば:7点
■つゆ:6点
■薬味:6点
■茶:6点
■値段:5点
合計→→30点/50点

『深大寺 一休庵』(調布市、東京都)

■RANK:5th

『打心蕎庵』(代沢、東京都) 2016年9月13日

まるで京都の東山、隠れ家的な店には、アプローチが印象的で、店内の内装、器、小物に至まで、こだわりを感じる。蕎麦はコシのある一品。香りを感じると言うより歯ごたえとのどごしを楽しむ。薬味の白ネギとつゆがからんで、この「蕎麦」にマッチしている。小盛、中盛、大盛と用意されているが、酒とつまみをさんざん食べて、最後の〆なら小盛、中盛でも足りるだろうが、昼食なら大盛がいるか。天麩羅類の充実ぶりは見事だが、巻き海老と帆立の天麩羅を食す限り、これといったこだわりと特別感はない。粗塩が唯一いいところか。夏と言うこともあり、茶はなく水だった。最後のそば湯。とろみがあって、つゆとからんでこれは美味。2016年9月3日(土)食す。

もりそば(大盛り) 1,450円
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:9点
■茶:5点
■値段:3点
合計→→36点/50点

「翁」の暖簾を分けた富山の「達磨」。ここの存在を知ってからずっと行きたいと思い続けてようやく行けたという気持ちがスパイスになったのは確か。それを加味しても、旨い。まず、地元富山県人にとっても、なかなか分かりづらいところに、一軒家のようにしてあるのがこちら。蕎麦を食べる、その時間を邪魔しない程度に提供する、という店の雰囲気がいい。蕎麦は翁の路線で、つゆがとにかく旨い。一緒に天麩羅も頂いたが、こちらは素材力に軍配有り。東京から考えると、ここまで来たからには新鮮なモノを、というのを裏切らないといえばいいのか。大盛りを2枚に分けて提供され、つゆをつけずに食べてみると香りがすごい。最後、どろどろのそば湯を頂いて、終了。満足で満腹のお味だった。
2017年5月3日(水)食す。

ざるそば 800円
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:7点
■茶:5点
■値段:6点
合計→→37点/50点

『富山 達磨』(富山市) 2017年5月3日

■RANK:4th

町に根付いたおそば屋さんという親しみの中に、蕎麦に絶対の旨さがあり、そば湯も白濁でおいしい店のそれ、だ。何軒かのれん分けのように店舗も増えており、遠くは立川でも石はらの名前をみることができる。開店の11時半からお客さんはかけつけ、コロナ禍ならではのテイクアウトメニューにも力を入れている印象。ランチタイムということでセットの天丼+そばを注文。そばだけ味わいたいなら、十割そば、二八そば、二色そばなど、もりそばの種類も豊富。セットの天丼は、さすがはそば屋の天丼。めずらしいのはたまねぎの天ぷら。これがほくほくしていておいしい。えび、まいたけ、かぼちゃ。色の黒い天ぷらではなく、あっさりいただける天ぷらだ。そして、肝心のそば。これは実に旨い。半分だけつゆにつけて、ずるっと鼻から香りをいただいて、もちもちとかんだら、するりと喉を通る。気取らず、それでも、旨いそばを食べる。それも飽きずに毎日。それが、この店の最大の魅力だ。
2021年1月29日(金)食す。

そば+天丼(ランチ) 1,100円
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:9点
■茶:3点
■値段:5点
合計→→36点/50点

『蕎麦 石はら』(世田谷、東京都) 2021年1月29日

■RANK:5th

■RANK:6th

立山連邦を見ながら車を走らせて、山道をいくとあるのがこちら。蕎麦屋におきなという名前がイメージさせるものに「大丈夫か?」という気持ちのまま、まずは門構えに期待値があがる。そのままおうちにお邪魔するように靴を脱いではいると出汁の香りがすばらしい。蕎麦は丁寧に仕上げられた一品で、蕎麦の香りがひきたつというより、つなぎをきかせたもちもち感が心地良い。つゆが特に素晴らしく、すすったあとの満足感がこみ上げる。景色と一緒に頂く。天ぷらは素晴らしい。海老、野菜、魚。粗塩でサクッといただいて、蕎麦を頂く。幸せな時間が過ごせる店。
2022年2月26日(土)食す。

天ざるそば 1790円
■そば:9点
■つゆ:9点
■薬味:6点
■茶:5点
■値段:6点
合計→→35点/50点

『そば処 おきな』(立山町)

京王線の笹塚駅から歩いて10分程度、甲州街道を渡ってさらに進んだところにあるのがこちら。昼時は行列になる人気店。狭い店内は隅々まで掃除が行き届き、テーブルも椅子もこだわりのある趣で、なんとも落ち着ける。子供が炎天下で50分並んで待って、席に着くと「オレンジジュース飲む?」と聞いてくれ、サービスしてくれた。なんとも気持ちのいい店だ。
注文をしたのは、私が天せいろで、息子は鴨汁せいろ(1,650円)。冷たいお茶が心地よかった。待つこと十分、出てきた蕎麦と天ぷらに一気に吸い込まれた。美しい。天ぷらはてんつゆか抹茶塩で。まずは薬味を入れて、蕎麦をいただく。のどごし良し、コシ良し。つゆに半分ひたして、鼻から香りをいただく。そして、食べる。旨い。とてもていねいなお蕎麦だ。そして、天ぷら。こちらがまた、どれも一品。あなご天が有名らしいので、次回はそれを是非いただきたい。
2022年6月19日(日)食す。

天せいろ 1,650円(せいろは850円)
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:7点
■茶:6点
■値段:7点
合計→→39点/50点

『石臼挽き手打蕎麦 蒼凛』(笹塚、東京都) 2022年6月19日

■RANK:2nd

■RANK:7th

田舎の隠れ家、という雰囲気をもつこちら。まずは器類のこだわりを感じる。蕎麦の前にたまご焼き(550円)をいただく。作り置きなのか、温かくないのが残念だが、出汁のきいた味は美味だ。
蕎麦はつるりとしたきれいな味で、濃いめのつゆを少しつけていただく。旨い蕎麦であることは間違いない。そして、丁寧に仕上げられていることもわかる。味に、しっかりと丁寧さを感じることができる。ちなみに、夏のすだち蕎麦が有名。
2022年10月23日(日)食す。

もりそば 1080円
■そば:8点
■つゆ:9点
■薬味:6点
■茶:6点
■値段:5点
合計→→34点/50点

『そば 蕎文+AN』(高岡市)

千歳烏山駅から徒歩なら10分以上、粕谷に佇むこちらのそば屋は、店の内装がなんともファンシー。そこで出される十割そばのレベルに、おそらくミシュランの調査員も驚いたか。ビルグルマンの名店。接客もよく、薬味の感じが個人的にはお気に入りだ。せいろでいただくそばは、のど越し良し、なのに噛み応えも良し。ほんとに十割なんだろうか、と思うほど。旨いそばの要素がぎっしり詰まっている。また、穴子の天ぷらが絶品。天せいろにすると、温かい出汁(つゆ)で提供されるので、せいろでたべるのとは、また違ったそばの味わい。野菜の天ぷらも、素材のうまみが十分に発揮されいて、塩で食べるのにちょうどいい。日本酒も豊富だが、ワインもあり、これは、夜、ゆっくり蕎麦屋で一杯、というのにも合いそう。
2022年11月26日(土)食す。

せいろそば 990円(穴子と野菜の天せいろは2,420円)
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:7点
■茶:7点
■値段:6点
合計→→39点/50点

『東白庵 かりべ』(千歳烏山、東京都) 2022年11月26日

■RANK:2nd

老舗蕎麦屋の代表格のこちら。外国人も含めた観光客で行列の店。ランチ時は開店すぐにいけば二巡目でありつける。客が多いので、店内に押し込めるので、ゆったりと蕎麦を味わうには不向き。だが、江戸の蕎麦ってそんなもんじゃない。ぎゅうぎゅうの中で、客と客がスペースを譲り合いながらすするのが一番。下町情緒も合わせていただける。肝心の味は、文句のつけようのない旨さ。もはや、蕎麦ってこういうこと、というのを教えてくれる。石臼で挽かれたそば粉を手打ちする様子、つゆは昔ながらも安定の味付け、そして薬味も飾らず実直に役割を果たしている。店構えから店内での接客(お品書きにないものを感覚で伝えると、そうしたらこういうのでどうでしょう、と店員さんが提案してくれる)も含め、本当に昔ながらだ。ちなみに、丼ものも絶品。
2023年9月22日(金)食す。

もりそば(大盛) 1050円
■そば:9点
■つゆ:8点
■薬味:7点
■茶:6点
■値段:7点
合計→→37点/50点

『神田まつや 本店』(淡路町、東京) 2023年9月22日

■RANK:4th

個人的に、ものすごく好きな感じの蕎麦。ここは、足を伸ばして、わざわざ食べに行く価値のあるミシュランのような蕎麦屋。名店といわれるだけあって、待ち時間は長い。が、店内の雰囲気、小物、器にまで気が回され、何より建物自体に味のある店だ。メニューも豊富で、地のものを活かした天ぷら、出汁巻きなどクオリティの高い料理が並ぶ。せいろは2種類。蕎麦の挽き方によって味わいも違う。もちもちとした食感が好きなら細挽きせいろを。つゆも薬味も一級品。少し箸にとり、つゆをちょんとつけてズルっといく。本当に旨い。丁寧に味わいたい逸品だ。
2024年7月13日(土)食す。

細挽きせいろ 1,100円
■そば:10点
■つゆ:9点
■薬味:7点
■茶:7点
■値段:6点
合計→→39点/50点

『手打ち石臼挽き蕎麦 福助』(砺波市) 2024年7月13日

■RANK:2nd