ZINE'S MATE PRESENTS
THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010
@3331 Arts Chiyoda (東京都)

2010年07月31日
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出版社、ギャラリー、アーティスト、ブックショップが参加するアートブックフェア。
主催者側曰く日本で唯一かつ最大のアートブックフェアだとか。
確かにブースは多い。が、ほとんどが持ち込み。お名刺の交換が主な商談の場、という趣が強いようにも思えた。

中には立体のアーティストが「本」の体裁にした作品や、わざと荒めの印刷で公園のジャングルジムや滑り台ばかりを撮った「宇宙旅行」なる作品や。ずらりと並んだのをサーッと見るだけでも楽しかった。

何より会場がいい。旧練成中学校を改修して誕生した「3331 Arts Chiyoda」は、一階の展示場からアトリエや庭園など、アーティストに開かれた場所。校舎の前の芝生広場や階段では、一階にある店でビールを買い、グラスを持って飲んでる光景が外国的だ。こういう空間があるから東京はいいな、と再認識したりする。

お目当ては「PAPER SKY」を発行する「ニーハイメディア・ジャパン」が出展すること。ルーカス・バデキ・バルコ氏が設立した同社発刊の雑誌が、時系列でドミノ風に並べられていた。その配置にそって、湾曲しながらすすむ。

ぼくがPAPER SKYという雑誌に出会ったのは2004年だったかな。とにかく特集の目のつけ方と、外国の雑誌のようなレイアウトが気に入ったのを覚えている。バックナンバーも可能な限り集め、一時は定期購読もしていた。一番古いので「ニューヨーク編」が家にある。これはマンハッタンの中にある「緑」を追いかけるという特集だった。どうしても創刊号の「School Trip、修学旅行をもう一度」が手に入らず、ここでやっと読めた。

会社設立当初の「Tokion」も全て揃っており、1996年の創刊当時は確かにA3版の雑誌が多かったな、なんて懐かしくなったり。最新号のスイス自転車の旅で、なんだか自転車がやりたくなった。旅のネタ帳として、個人的に多用した雑誌。その歴史を知れたのは、行った甲斐あり、だった。

先述の通り、会場はもともと中学校の校舎。非常階段のある廊下は、無性に懐かしい雰囲気があるし、下駄箱も、廊下も、水道も。なんだかとてもいい雰囲気だ。2階や3階でもいろんな展示があったりして。中でも「じも自慢」という、壁一面の日本地図に、自分の地元の「自慢」を付箋紙に書いてぺたぺたはるのは、どこか絵馬にもにて、結果、それが壮大なアートというインターネット主流のコミュニティを「壁」でやってくれるところが実によかった。

夕暮れ、下校の時間になった頃、ぼくはこれまた懐かしい気分で、会場を後にした。文化祭の準備中の、変に高揚した気分のまま。