岡本太郎が住み、アトリエとして使われた南青山の住まいを、記念館として公開したのが1998年。この30年弱の間に私は幾度となく足を運んだ。まだ京都に住んでいる頃から、東京で好きな空間のベスト5に入る場所でありつづけるこの空間へ。今回は、「黒」を中心とした作品を集めたということで行ってみた。(15年以上前に、書を真っ赤な壁をバックに展示されていたことを思い出した)
まずは、庭。これには驚いた。ここまで鬱蒼としていたことは記憶にない。昔、まだ息子が幼稚園の頃、この庭を走っていたことなどを思い出しつつ。ベランダの太陽の塔に挨拶する。母の塔は、2代目だろうか。以前の記憶とは違っていた。考えてみれば、コロナもあって、ここ7〜8年は来ていない。変わるのも、当然か。
さて、展覧会「黒の躍動」。
原色、カラフルという印象の強い岡本太郎だが、黒を突き詰めた作品が多いことは知っていた。原色の中の黒をみごとに何かに豹変させる。とても抽象的な作品が、そのタイトルを見てから、もう一度対面すると、一気にその世界感に引き込まれる。
元は住まいということで、もちろんギャラリーとしては狭い。階段を登って左側。濃い緑の壁に10枚の作品が並ぶ。黒、か?と一瞬は、そのカラフルさに目を奪われるが、よく眺めると、どれもが黒を中心に、その黒のための作品になっている。大判の作品もいくつか並ぶ。その真ん中に、愛の彫刻がふたつ、並ぶ。気持ちのいい空間だ。
空中廊下のような所を渡って次の間へ。今度は濃紺の壁に、白地の黒が実に心地良い。原則の彫刻や、カラフルな絨毯と相まって、黒が彩度を持ったような錯覚。「風神」という作品の前で、黒の動きの中に隣の作品の赤が写り込んでいるのを、なんだか意匠のように思いつつ。この深海のような部屋の落ち着きに、岡本太郎のすごさを改めて感じた。
1階にある縄文という彫刻、そのまま残されているアトリエは、何度見ても素晴らしい。そして何より、グッズの数々が、この記念館の魅力でもある。何度来ても、やはりいい空間だ。












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The Dynamism of ‘Black’
黒の躍動
@岡本太郎記念館(東京)
2026年10月3日(土)

