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岡本太郎  生命体
Taro Okamoto Memorial Museum

@東京「岡本太郎記念館」
2015年05月09日

生きる力。色とか形とうかそういうものを超えて、配色もリズムも全部が爆発して、強烈。岡本太郎が描き出す世界は、すべてに生命力がみなぎっている。太陽の塔の内部が、そんな生命力に溢れているのは有名な話。この展覧会は、メインルームに「生命の樹」が鎮座している。アメーバから人間にいたるまでの、すべてのいきものが一体となって組織するひとつの生命体。それが「生命の樹」で、岡本太郎は、太陽の塔を構想したとき、この生命体を内臓させようとしたらしい。生きとし生けるものお根源で支える生命のエネルギー。岡本太郎芸術の根源を流れるそんなテーマの展覧会が、彼のアトリエであったというのは非常に興味深い。

青山にある岡本太郎記念館は、私自身、何度も足を運んだ場所だ。一階のショップと受付の配置が変わっていた。コップの縁子さんよろしく太陽の塔バージョンがガチャガチャであったり、庭のベランダ(2階)からは太陽の塔が肘をついて、ぼんやり外を眺めていたりする。ユーモアに溢れた空間が本当に大好きだ。

そして、赤をベースに、渡り廊下でつないだ2部屋。奥は先述の通り「生命の樹」で、一部屋目。太陽の塔の縮小版がある部屋の真ん中に置かれていた「愛」というなの彫刻が、何とも言えず、惹きつけられた。こういう作品にふっと出会えるから、岡本太郎が好きだ。

走り回る三歳児の息子も、ここには何度か来ていて、来る度に、楽しそうに走り回る(庭で、特に)。やっぱり、小難しくこね回すモノではなく、絶対的な芸術が、ここにはあるから、楽しいんだろうな、とか。