(東京ミッドタウンにて)

都会の中のガーデン

外資系のホテルが建ち、車が行き交う。六本木は疑うことのない大都会だ。その中に「造られた空間」が癒しを提供する。ある人は真顔で言うだろう、「そんなツクラレタ場所、癒されやしない」と。高尾山とまでは言わないまでも、上野公園の方がよっぽど、、、とか云々。確かに、である。が、「都会の中の」という限定詞のようなものを付けると、それには「便利」が付随しなくてはならず、つまりはフードコートがあり、ホテルがあり、コンビニがあり、交通網の網の中。そこにあえて緑を用い、木道を敷き詰めて、余裕をもった間隔でベンチとテーブルを置く。そこでは、白を基調にしたカフェなんかがあって、真っ白い皿にトマトベースのパスタなんかが提供されて……。と、いう意味において、都会の中のガーデンはホッとするのである。

東京は「緑」が多い。確かにそう感じる。その緑の中の便利に、ホッとしてしまう自分にヒヤっとしながら、それでも天気のいい日は良いものだ、と感じる。ヒートアイランド。熱を発し、音までたててグルグルボカーン!となりつつある「地球」を、ツクラレタ空間であっても、そっとクールダウンしてくれるなら、そこはホッとスペースだ。むき出しのコンクリートと、薄曇りの空と、整列したように植えられた花々と、緑過ぎる芝生。その妙なバランスに、アイスコーヒーは旨いのである。