プロジェクションマッピングという言葉を一般化させたと言っても過言ではないNAKEDの『TOKYO HIKARI VISION』(丸の内東京駅舎)。復元されたばかりの東京駅のレトロな駅舎に、カラフルな映像がピタッと合致して、四角いスクリーンを飛び越えた、立体形状に写り込む映像美。しかも、リズミカルで、超自然で、規模が大きくて何とも爽快なアート。うまく言えないが、月が三日月なり半月になるとき、スパッと地球の形に縁取られているような気持ちよさが、そこにはあり。もちろん、ものすごくカラフルで、複雑な映像なのだが、常に、その気持ちよさがついてくる。
このTOKYO ART CITYでは、メイン会場を5つのテーマに分けて展開。先述の東京駅舎の「光の旅」を再現したり、大都会東京を見上げたり(LOOK UP)、見下ろしたり(LOOK DOWN)。さらには、空港や博物館を再現して、いわば、都市全体を丸ごと映像で包み込んだようなアート。規模こそ、もう少し欲しかったな、と思うが、この5つのテーマを、ぐるりと360°見渡せる手頃感が、ちょうどいいのか、と思ったり。会場となった渋谷ヒカリエ。その9階から見下ろす渋谷のリアルな街は、まさにアートを地でいくほどに「建設ラッシュ」で。タクシーにバスに人に車に、行き交う全てが織りなす、二つと無い都市のアートだった。