東京モノレールの浜松町駅から羽田空港に向けて、
晴天の昼下がり、一番前の車両にぼんやり座りながら眺める。
右手に東京タワーが見え、
その下には新幹線、山手線、京浜東北線の線路が何本見える。
新幹線の屋根は汚い。
左手に港区のスポーツセンターが見えると
モノレールは大きくカーブする。
そこからは臨海エリア。
ポコポコと立ち並ぶ高層ビルディング、
計画的に配置された公園。
時々、海が見える。
モノレールであるので両サイドの深い窓から景色が広く見渡せる。
ビル、ビル、ビル。
車も人間も自転車も、なんとも造られた景色だ。
もはや、地面から人間が造った(埋め立てた)場所。
レインボーブリッジが見えるころには、
これが東京か、と嘆息。
まるで未来都市だ。
うっすらとバブル時代の象徴的なフジテレビ本社を見ていると、
羽田空港から飛び立つ飛行機と、
羽田空港へ着陸する飛行機が交差する。
『東京湾景』。昔、読んだ吉田修一著の本を思い出す。
そして、小沢健二の「流動体について」の冒頭の歌詞が流れる。
この東京臨海には、
東京ならではとも言える《造られた感》が色濃く、
それは都会力がぐねりながら絡み合い、成り立っている。
東京臨海
ならではの
造られた感