仙洞御所/(左)醒花亭、(右)又新亭
茶室
茶室のことを数寄屋という、単なる小屋である。原義は「好き家」。詩趣を宿すための仮の住み家であるからには「好き家」であり、さしあたって、美的必要を満たすためにおく物のほかは、いっさいの装飾を欠くというからには「空き家」である。それは「不完全崇拝」に捧げられ、故意に何かを仕上げずにおいて、想像の動きにこれを完成させるからには「数寄屋」である。簡素にして俗を離れているから真に外界のわずらわしさを遠ざかった聖堂である。茶室においてのみ、人は落ち着いて美の崇拝に実をささげることができる。(「茶の本」岡倉覚三)
ホッとする空間。それは与えられるものではなく創りだすものであるというか。だから用意されているモノが単純であればあるほど、簡素であればあるほど、僕の安静が無限に広がって、創り出され、そうやって、ホッとするんでしょうね。