なぜか「やむちん」と言って、実際に壺屋のこの通りを歩いている時ですら「やむちん」だと思い込んで、インスタにあげる時も#のあとも「やむちん」と書いていた私。本当は、焼き物をこの地方のコトバで表す【やちむん】。この壺屋は、琉球王国の首里城城下町で、焼き物の窯が集まった場所で300年以上の歴史を持つ(詳しくはこちらの公式HP)
通り沿に50店舗弱が並び、伝統的なものから若手作家の創り出す新しいものまで、形・色・テイストを楽しみながらぶらぶら歩き、途中でちょっとカフェで休憩。そんな2時間ぐらいの散歩道が楽しい場所。どの店にも「顔」があって、それぞれに置いているものが違うので、コレだ、と思ってから、店を出て、何軒か見た後、やっぱりあれだ、と思って戻るのが、1つの通りなので楽。子連れで歩いていた私たちに、店のおばさんは、飴をくれたり、アイスをくれたり。なんともやさしい商店街だ。
シンプルでいて色使いがカラフル。そんな私たち好みの店にねらいを付けて回るだけでもしっかりと楽しませてくれる充実感が嬉しい。
まず、目に飛び込んできて、なかなか離れなかったのが鮮やかなブルーのやちむん。新垣陶苑などで扱っている。値頃感もリーズナブルで、普段使いとして使えるモノが多い。焼き物だけではなく、琉球ガラスを扱う店も多く、店の方と話すだけでも楽しい。6歳の息子は、チェリオにはまり、あまり見かけなくなったチェリオの自販機でメロンクリームソーダの缶ジュースを飲んで喜んでいた。茶碗、椀、コーヒーカップに「飾れる」ものまで多種多様。これぞ沖縄の焼き物という深い紺色と山吹色の皿は、オリーブオイル系のパスタをのせると映えそう。さらには、カラフルな点々をあしらった丸皿は、トーストとハムエッグがなかなか合う。そんな日々の朝食や昼食、さらには酒器を眺めて晩酌のシーンまで。どこまでもやちむんは入り込んでくる。
足が止まり、じっくりと1つ1つ眺めたのが育陶園。現在は六代目の陶主、高江洲忠さんが線彫技法で鮮やかな作品を手がけている。一方で、無地のシンプルなアッシュシリーズが目を引く。滑らかな曲線美をこれでもかというほど単調に仕上げ、飽きの来ないデザインに仕上げる妙。店の方も気さくで、買い物をする、というより良い物を共有するという姿勢が嬉しい。結局、黒の線彫、大きさもちょうどいい一品を購入。15,000円(税別)を高いとみるかお値打ちとみるか。それは実際に見てみると納得だった。包んでくれる間、おちゃと茶菓子を頂き、ほっと一息ついていると、近所の猫がやって来たりして。なんだかそんな時間まで、楽しめる。
もう一見。結果的に購入したのはチャタロウ。女子が好きそうな色使いと店構えなので、お客さんはほとんど女性。それに着きそう彼氏や旦那さんが大半で、ギャラリーのようになった小部屋に無造作においてあった左の皿、2枚。たぶん3,800円(一枚)ぐらいだったと思うが、横長で、この二枚の組み合わせに一目惚れ。朝食の時、ただ置いているだけでもいいのではないかと思うほどの楽しげなデザインだ。
お気に入りに出会えたらラッキーで、もし出会えなくても、これだけの品揃えを流し見るだけで満腹感十分な通りだ。
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