高速バス
[往路]:2010年7月18日(日)07:40 新宿発/09:54 山中湖ターミナル着
[復路]:2010年7月18日(日)19:35 山中湖発/21:55 新宿着
※往路とも京王バス

ゲイシャにフジヤマですか〜。
綺麗なもんには何かある!
それが何なのか。
くそ暑い東京を抜けて、
ちょっと富士山麓の湖畔まで
行ってきま〜す。

■山中湖の旅フォトはこちら

新宿の高速バスターミナルから。
交通渋滞で予定外の休憩を挟む。

朝、7時半。からの猛暑の東京は新宿。夜の終わりと朝の始まりが混じり合う休日の街の雰囲気。梅雨は明けた。

高速バスで2時間ちょっと。往復で4,000円。気軽に避暑するか!と決めたこの日帰り旅行も、集合直後から「交通渋滞」「混雑予想」のアナウンスが連発。夏休みの始まりの連休はさすがに怖ろしい。バスに乗り込んですぐ、バスは進まず。昨日からの疲れで速攻眠りに落ち、ふと効き過ぎた冷房で起きるとバリバリと音をたてて、渋滞の中を暴走族が通り抜ける。???まじ?と窓の外を見ると「八王子」ではないか!到着予定時刻を調べ直す。9:54。この時すでに9時半をまわっていた。

結局、富士急ハイランドに行く人ばかりを乗せたぼくのバスが、山中湖のバスターミナルについたのは12時すぎだった。正直、疲れた。が!天気は良好。快晴の山中湖畔へダッシュ。するも、え?富士山ってどっち?とキョロキョロ。「あっちだよ」とおじさんに聞いて見上げても雲、雲、雲。「午前中はきれいに見えたのに」、ととどめの言葉に唖然。空腹が一気に襲ってくる。

東京大学に千葉大学。この辺りには大学の寮が多い。綺麗な芝生のグランドもある。森の中のレストランは、何を焼いても、例えば煮ても、絶対にうまいだろう雰囲気満点で、ふじやまビールなる地ビールののぼりに心奪われつつ。道路沿いを歩いて文学の森へ。インフォメーションセンターが隣接されているので、そこでお得なチケット(1000円で日帰り温泉やいくつかの施設を周遊できる)をゲットする。もともと三島由紀夫文学館と紅富士の湯には行こうと思っていたので、その2つだけ入ったとしても1200円のところが1000円になる。
整備された文学の森。陽射しの強い午後にはもってこいだった。音がいい。風がいい。ぜんぶ癒され、特に木々の匂いがいい。

三島文学の拠点。この真自然の中に佇む文学館は、隣接する徳富蘇峰館と共に雰囲気が実に良い。直筆原稿、初版本、書斎の復元まで、手頃なエリアにギュッと凝縮して見せてくれる。特に、創作や取材のノートが興味深かった。予約をすれば、2階の閲覧室にもいけるらしい。

また、森?(軽トラックに乗った地元のおじさんは「林」といっていた)の中を緩やかに下って湖畔へ向かう。汗がここちよくわき出て、自然にす〜っとひいていく感じがたまらなくよかった。

陽射しもいよいよ本気で厳しさをました。どこに居ても暑い。なら、いっそ湖面に出よう。ということで1時間1000円の手こぎボートをレンタル。去年、屈斜路湖でこいで以来だ!と思い出しつつギーコ、ギーコするも、波がすごい。モーター系のボートが多い。すごくアクティブだ。静かにのどかに、とはいかない。そしてなによりバス釣りの人達が多く、こちらからしたら「邪魔」だったし、たぶん向こうからすればもっと鬱陶しいことになっていること間違いなしの状況下。相変わらず、富士山のところだけ雲がある晴天をこぎ続けた。それでも気分はいいから不思議。心地よい肌の焼けを感じたりしながら。

運動?のあとは食だ!と。

かつて武田信玄が戦飯として活用し、この辺りの庶民の間でひろまった「ほうとう」をいただく。太いうどん、というより、まったく別の食べ物というか。煮込んだ出汁がとくに旨かった。1200円。これが高いか安いかは、まぁ人それぞれ。かぼちゃをねりこんだ「小作」という店名物のほうとうは、美味だった。もちもち感がいい。麺類好きのぼくには、個人的にたまらず、口の中に大量に頬張って思い切り噛むという「技」で一人前をぺろりと食べた。

腹もふくれて、あとは温泉。夕方近くになっても暑さは相変わらずだった。ガストやデニーズがある山中湖村。結構、それが流行ってたりすると、地元の人?それとも長期滞在者?なんて勝手に勘ぐり、まぁ、アメリカ人がどこへ行ってもマックを食べてしまう法則なんだろうな、なんて思ったりする。

温泉まで。徒歩30分と聞いたが、疲れ果て、体力的に厳しく、1時間近くのんびりあるいて「紅富士の湯」という施設へ。みんな車で移動している。そら、そうだろう。汗を吹き流すこと何度目だろう。Tシャツがしっとりしている。

タオルは購入で210円。バスタオルがレンタルで100円。露天風呂もある紅富士の湯は、そんな疲れた体にとても優しかった。が、人が多くて、男湯でさえも洗い場の横には待つ人の列。素っ裸の男が並んでる図は、囚人?とも思えたり。が!内湯からも露天からも富士山がきれいに見えた。銭湯の富士山の絵は、本物にかなわず、本物は脚色なしに自然だ。食物でいえばオーガニック。そんな嫌味のなさが、キレイさを倍増させていた。

帰りのバスまであまり時間がなかったのでターミナルまでタクシーに乗る。ふじっ湖号なる巡回バスや路線バスがあるが、時間が合わない。タクシーのメーターは田舎特有のものすごい速さで上がっていき、ほんの5分ほどの距離でも1700円だった。恐るべし。とはいえ、バスターミナルの近くで、富士山がキレイに見えはじめたので、そこで降ろしてもらった。夕刻のピンク。富士のうっすらとした姿。そのシルエット。完璧。美しい。ビューティフル・フジヤマ。最後の最期に、本当にこれ以上ない光景を見せてくれた。

月が浮かび、富士がある。そして夕景。

ぼんやり眺めているだけで、なんて癒される光景なんだ、と。(左へ)

帰り。定刻通りに山中湖を出発したバスは、渋滞の中で進みきれず、また予定外のPAでの休憩を挟む。
日付が変わって0時15分。ようやく新宿についた。予定の倍かかったバスでの往復。こうなると、当初のスケジュールというのは本当に実現可能な時間なんだろうかと疑いたくなったり。

ともあれ、なんとか無事に帰って来れたし、終電にも間に合った。

強行ゼロ泊(日帰り)の旅。あの、迫ってくる富士の姿が、目に焼き付いて離れない。










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