緊張と緩和、という言葉を使うなら、ここは普段緊張した場所だ。空軍の基地。それも日本の中にあるアメリカ軍。第二次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争に湾岸戦争。イラクやアフガニスタン。守るために攻撃する、戦争。の為の部隊。
関係者以外立ち入り禁止のこのエリアは、とてもシビアでシリアスで張り詰めている。
一年に一度。そのピンと張った糸が緩む。フェスティバル。一般公開され、音楽をがなり立て、晴天の元でサングラス姿の兵隊が「へ〜い」と陽気に振る舞う。それが友好祭だ。
福生市のホームページによると、1949年9月20日、第5空軍誕生7年を祝って地上展示&エアショーが行われ、後に「Japanese-American
Friendship Festival」として毎年一般公開されるようになったのがこの友好祭。最寄りのJR青梅線の「牛浜駅」は、普段はそんなに利用客もいないのであろうこじんまりした駅だけに、どっと人が押し寄せるとパンクしていた。そこから歩くこと15分。横田基地はこの時ばかりは解放感に包まれる。まず、荷物チェックと国籍証明へ。その後、敷地内を巡回するバスの陽気な兵隊さんに挨拶したり、芝生の上でお弁当を食べている人にハロ〜と言ったり。ちょうど、バスケの試合をしており、サンタバーバラ的な雰囲気で、ダンクシュートを決めるアメリカ人たちににんまりしたり。がなり立てる音楽に気持ちの中でリズムがのってくる。少し進むとフードエリアだ。缶ビールはバドワイザー。生ビールは日本のものかな?大きな網でバーガーミートやバーベキューを焼き、煙と抜群に旨そうな香りを漂わせる。ライブステージでは、ロックンロールだった。米兵の家族なのか?アメリカ人や日本人妻?なのか「それっぽい」人がフーとかファーとか。なんとも愉しげ、だった。
滑走路には次々に離発着する。パラシュート舞台も降りてくる。エアーショーは見応えがあった。よく考えると、こんなに近くで離発着なんて、普通なら見られない。国際空港でも、ず〜と遠くなのだ。その滑走路の横。何十機も戦闘機が展示されていた。F22がどうとか、これは機動性にすぐれていてどうとか。詳しいことは横において、意外に小さいとか、尖ってるとか、ミサイルがでかい、とか。そういう感じで眺めて歩いた。コックピットまで上がることができる戦闘機もあって、兵隊さんと一緒に写真が撮れる。そのためには・・・炎天下で並ばないといけないが。
とにかく。開けた視界に青空と夏の雲。芝生。照り返し。そして、アメリカンな雰囲気と旨そうな匂い。このフェスティバルは、なんとも特別な空間でありながら、やはり日本で、だけどアメリカだという、ふと考えると「複雑」なところだが、「オープン」に友好のフェスタなら、そこにどっぷりつかっていると、とても楽しい。