エコ・ライフ。こう書くと「もうええわ」という気もする。ロハスなんていうと、スローフードに近い「古さ」を感じる。が、古い新しいという問題でないのは言うまでもなく、「環境は間違いなく壊れているわけで。……父さん」と純のように呟きたくなる。「エコロジークラスでいきましょう」とやさしく誘いたくなる。
「北の国から」というドラマで、五郎は廃材だけで家を造った。「大変そう」と思いがちな我慢。エコを考えたときには、何かを我慢しないといけないと思ってしまう。それを「無理のないエコ生活」と言い切ってしまうのが「ベッドゼッド」。
今ヨーロッパで注目を集めているロンドン郊外のエコ・ヴィレッジ(エコ分譲住宅)。正式には「ベディントン・ゼロ・エネルギー開発」という。建築家ビル・ダンスター氏の構想。
ベッドゼッドには、古い駅舎の鉄骨や建築現場の木材、ガラスなど再生建材を多く使用している。まぁエコだからねとも思うのだが、その理由は「新しい建材だと遠くから運んでくることになる。となるとトラックがやってきて有毒ガスを排出する。だから近所から再生建材を使う」というもの。
また、雨水を集めるシステムやソーラーシステムはもちろん、暖房だって、壁を分厚くして抑える。さらには、ブロードバンドを完備し、インターネットで買い物をする。それを一括して配送するのでヴィレッジ内の車の量が減る。などなど、、、アイデア満載のエコ・ライフなのだ、と。
それがあくまで「普通」になると、わざわざ「環境のために」と忙しい時間を削ったり、あるいはそんな時間がないからと言い訳することも必要なくなる。
このベッドゼッドに注目をしているフランスやイタリアでは、多くの街が第二のベッドゼッドを作ろうとしているし、アジアでも中国などが関心を示している。これからどこまで広がるのか、そして広がっていく中でいつからか商業的になってしまうのか・・・。イタリア紙「D(レプブリカ・デレ・ドンネ)」は期待し心配している。(COURRiER Japon #027参照)
ベッドゼッド
Bed ZED:
(Beddington Zero Energy Development)