空中の魚
正解と不正解の間で
ドキドキしている


現実と幻想が交差して
ずっと待っている


奇蹟(ってやつ)


目の前を 鮎の稚魚が泳ぐ
或る晴れた午後の交差点


赤信号だ


遠い遠い ずっと向こうまで
この道をゆけば いいのだろうか



空中の魚は踊る
愉しそうに舞っている


酸素とか不可能とか非現実とか
そんなものを全て凌駕して


目の前に現れる



現実を幻想にして
僕は、信号待ちをしている


気付かないふりで
空を舞う魚の群れの


そんな夢の世界で……



  
by Shogo Suzuki