芽が出た
橙のボールはまるで太陽
鬱蒼とした緑に滴る水も空気で


端から端まで
ぜんぶ夢の世界


象にキリン サイよりライオン


空想で夢想した結果だ、けど


ぼくはそこで横になる
右手を伸ばし
しなやかなその
君の左腕をつかむ



黄のボールも今度は月で
微かな光で青白く写す


そんな世界も
現実に似て非なる
完全な夢の世界で


君と、ぼく。


そうと知りつつ 生きている

そうと知りつつ 続けている

そうと知りつつ 

目を閉じて

変わることを 
直視することを
そのための取捨選択を

本当は考えている


ポンッ
と、ひとつ


顔を出した芽

弾けるように飛び出した
現実世界への入口


ぼくは
君のしなやかな腕を握り
両手を空高く


突き上げるのです。



  
by Shogo Suzuki