「戦うより大切な事がある」

これは、子ども達へのメッセージ。ある夏の思い出。
ベトナム戦争に行き、精神的な病を患い、多くの友達、家、誇りを失った男の、そして家族を失いかけた父親の、経験からくる言葉だ。
リアル、それを現実のものとしてしっかりと伝えてくれる。

THE WAR
ベトナム戦争という選択をした国の、南部という差別に満ちた風潮の中で、弱者同士が、子ども同士が、「戦う」日々。

「彼らと仲良くしなさい」
父は、子ども達の砦、ツリーハウスの前で言う。

「自衛の戦いさ。父さんも戦争で戦っただろ?」
息子のStuは言う。

「人を助けるために戦った。だけど、助けるより多くの人を殺した」

What's worth fighting for...
....... father knows the bitter truth about fighting back.


1970年。ベトナム戦争。戦争から戻った者のリアル。
正義や愛や、友情や家族。苛酷なリアルの中で、失われる「人間」。
戦争という大きな機械を扱いきれなくなり、いったい何のために戦っているのかすら分からなくなる。

THE WAR
子ども達の生活の中で、戦うことから生まれる連続性。
終わることのない恨みのサイクル。戦争、、、だから…。

天使になった父親からの教訓。

戦うより大切な事がある。
それは、罵る相手に綿アメを与えること。
それは、仲間のために貯金をはたくこと。
それは、語り聞かせること。いつかは、と希望を持ち、
明日も働くこと。口紅とほお紅を塗れば生まれ変わる白いマイホーム。

失った家を取り戻すために、
失いかけて家族を取り戻すために。


始めて見たのは、僕が大学に入ったばかりの頃だった。
これぞアメリカ映画、ちゅーやつやな。道徳の根本にキリスト教あり。
「愛」と「勇気」と「正義」、、、ね。はいはい。

単純なストーリー、ありきたりな情景。
見終わってすぐに感じたのは、イライジャ・ウッドの好演と、黒人の女の子2人組のハーモニーぐらい。
が、今、ひっぱり出して再読したDEBORAH CHIEL著の小説版「THE WAR」と、12年ぶりに見直してみた映画で、分かったことがある。

繰り返しって分かっていても、繰り返すだけの価値が、
戦争にはあるのかな、と。

bitter truth
また、そんな現実を味わっているんだな、と。

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8月のメモワール
THE WAR
1995年 (アメリカ)


監督:ジョン・アブネット
出演:イライジャ・ウッド、ケビン・コスナー、メア・ウィニンガム
    レクシー・ランドール、ラトーヤ・チザム、クリストファー・フェネルほか