雑踏ラウド
斜めに射す陽がやさしく
それは柔らかでしなやか


改札を出てすぐ、
すれ違う人の鞄に当たった。


ぼんやり遠くを眺め
ビルの間の夕焼け空


今度は背中から、
通りすぎる人がぶつかった。


ガチャガチャと金属音
デジタル音声は無機質
ガヤガヤした抽象的な景色
とかく人であふれた雑踏


届けたい声が、あるんだけど。



擦れ合う風と壁の側
乾いた靴音と笑い声


見えないものが見え始め
聞こえないものが増えていく


雑踏で、夕暮れ、壁にもたれ
ラウド。
君に
ごめん。


伝えたいことが、あるんだ。



  
by Shogo Suzuki