段々遠ざかる教師の声
グランドから響く笛の音
蝉が鳴いたら夏だった
頭を乗っけた両腕が暑い

段々遠ざかる現実問題
どこからか響く警笛の音
ストーブのやかんが揺れて
吐く息が白い冬の午後

 一年中
 僕は居眠りしてばかりいる
 全部忘れて真白い体で歩く
 眠いから寝るのであって
 そこで踏ん張る事はしない

段々近づく新しい扉
過去から響くゆるいリズム
ブレザーの汚れが目立って
背もたれにかけた春だった

初めて止まって考えた
もう一度戻った夏の終り
疲れた僕も舞い散る秋の夜
一人で眠り行く 明日のために

 これからも
 居眠りしては忘れるのだろう
 考えてもしょうがないことを
 どうしようもない冷たい現実を
 あくびもしないで 居眠り、居眠り

居眠りしては・・・
居眠りしながら・・・



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いねむり

by Shogo Suzuki