ボトル・オブ・ワーズ
ぼくら一人ひとりの言葉は
乱暴に分類され整理される
似通ったモノが集められ
単なる要素となり
レシピ通り匙ですくわれては
放り込まれる
瓶詰めされていく。
同じフレーバーを持つ既製品
規格からはみ出さない合格品
調整された形をもって
調和と呼ぶから何だか煮え切らず
平和もきっと
そんな風に包み隠されているように思う
ラベルを貼り
大量生産された後で
ぼくらの言葉は
炭酸の泡にすらならない
オレンジジュースの橙色になり
甘酸っぱい好みの味になる
ぼくら一人ひとりの言葉が
化合して 溶け込み 無くなっていく