ミュージカルの金字塔「キャッツ」が映画化される。それもトム・フーパーがメガホンをとり、制作総指揮にスティーブン・スピルバーグキャストにも、これでもかというほどの面々。英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのフランチェスカ・ヘイワード、ジェームズ・コーデン、ジェニファー・ハドソン、テイラー・スウィフト、ジュディ・デンチ、イアン・マッケランら。これだけ揃うと、逆向きの作用で「期待はずれ」という口コミが飛び交う。そんな口コミを知ってから遅ればせながら劇場に足をはこんだ私の感想は、「おもしろかった」。ライオンキングが好きな息子をつれて、キャッツのストーリーも知らずに私にとって、この世界感が、ぞくぞくさせた。息子と言ったという関係から観たのは日本語吹き替え版。このキャスティングもすごい。山崎育三郎さん、山寺宏一さん。室田明さんと大竹しのぶさんは圧巻。話題性としては名曲「メモリー」を歌い上げる高橋あず美さん、人気バンドから藤原聡さん、そして森崎ウィンさんなどなど。これらの知識は入れずに、空っぽの状態で観たのが、逆によかったのかな、とも思う。いやぁ、ガスの舞台、宝田明さんはすごい。

さて、映画。これは、CGを駆使してロンドンの湿っぽさと華やかさと憧れるような光景を見事に表現して、画面一杯のパフォーマンスは、豪華なキャスト陣のキラキラ感が凄まじい。そして、吹き替え陣の声と歌(もちろん、オリジナルで聞きたいなという所も多かったが)。この三位一体となった時間が、どんどんストーリーの中に吸い込まれ、入り込み、抑えて、抑えて、一気に弾けるダンス、歌。バレエ、タップダンス、ブレイクダンスと柔らかく力強い表現。この猫たち(ジェリクルキャッツ)の 一年に一度の特別な夜。「ジェリクル舞踏会」に繋がるまでの個性を紹介するシーンや、実際の舞踏会でのパフォーマンス。そこから、ムーンライト、から、デイライトへ。新しい人生を生きることを許される一匹に選ばれるクライマックスは、これをミュージカルの舞台で観てみたいと思わせる(良い意味でのプロモーションビデオだ)。

歌と踊りが見終わってからも頭の中にこびりついている。劇団四季から見て、ロンドンで見たいな。


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キャッツ
2019年(イギリス・アメリカ合作)

監督:トム・フーパー
出演:フランチェスカ・ヘイワード、
   ロビー・フェアチャイルド、
   ジェニファー・ハドソン、ジュディ・デンチ、
   ジェームズ・コーデン、
   ローリー・デビッドソン、
   スティーブン・マックレー、
   ジェイソン・デルーロ、レベル・ウィルソン、
   イアン・マッケラン、イドリス・エルバ、
   テイラー・スウィフト、ダニー・コリンズ、
   ニーブ・モーガンほか

日本語吹き替えキャスト
葵わかな、山崎育三郎、高橋あず美、秋山竜次(ロバート)、森崎ウィン、大貫勇輔、藤原聡(Official髭男dism)、山寺宏一、宝田明、浦嶋りんこ、RIRI、宮野真守、沢城みゆき、山路和弘、大竹しのぶほか