出口
きみはまるで
遊園地の出口を必死で探して苦しんでいるように見える
と、言われた
その場でもっと
エキサイティングに愉しめばファンタスティックなのにと
やさしく微笑むから
飽きたのかも知れない、と答えた
愉しいかどうか
遊園地の中をぐるぐる回っているうちに
分からなくなってしまったんだと
ふと、最近はそんな風に思う
ぼくの目覚めはいつも何かがチカチカと点滅し
それに追われるようにして気持ちが引っ張っていくから
重いからだは引きずられるように動く
気だるくどんよりねばねばしながら
青空に赤い風船が昇ってソフトクリーム片手の女の子が見上げていても
キャップ帽の男の子が絶叫マシンの前で背伸びをしながら乗せてくれとせがんでも
愛くるしいキャラクターがお得意のポーズでカメラの前で可愛くても
ぼくの行きたい向こうの世界の真ん中からは
もっと異質でハッピーに弾ける音が止むことはないのだ
その音が心臓の内側から殴りつけるように打ち付けて
さぁ、はやく、行け、行け、と
ぼくは幸せが飽和したような遊園地の真っ白いベンチに座りながら
目を閉じて本当のリアルな「幸せ」を想像しながら夢想して妄想する
金糸を帯びた朝陽は白透明で輝きながら
はっきりと大きな口を開けて誘っている
ぼくの心臓が
向こうへ行きたいと打ち付けるリズムに合わせて
ゆっくりと頭をふってキョロキョロしながら、探している、迷っている