我楽多
あるにはあるが
無いに等しい
無いなら無いで
探そうとも思うけど
無いようにあるから
「ま、いいっか」となる
活かせないまま
ただそこにあって
我楽多、と呼び
だけど
ぼくは それを毎日磨いている
大事にしまって 眺めている
無いに等しいモノ、ばかり
膨らんだぼくの箱は
だから何も無い
あるにはあるが、と
ため息交じりに今日も磨き
元あった場所にしまうと
いつの間にか増えたなと思った
苦笑、苦笑
いっそ無いなら無いで
空っぽの方がとまた思っていると
隣で誰かが
ぼくの庭は「アオイ」と言う
ぼくはそのアオイ箱の中を
まだ「見えない」ままでいる