変がくる
朝の〈きれいな〉空気を割いて


最短距離でやってくる、変


それまでの


普通で変哲もない退屈な全部が


きらっ、と急に、大切




わざわざ口にもしなかったものが


決めつけてかかっていたものが


塩コショウして仕上げるように


沁みる




変がくる


それに備えて集めたものは


みんながらくたになった


だけど


生き抜ける不思議は


集めたモノではなく


集めたというコトだったりする




音楽を聴いている


頭のなかで溢れて


漏れ出てくる音を


心のなかで


抑えている





ああ


ぼく以外は


何も変わらない


なんでもない普通の中にいて


あれ?


こんなカラフルな〈普通の〉中に


ぼくは


居たのか?





  
by Shogo Suzuki