ほろ苦く・・・
「思ったより苦いな」
カップを置いて見上げたら
星がとてもきれいだった


「思ったほど甘くない」
目の前の君は 小指につけた
ハニーシロップをなめる


いつだって
僕らは 甘いことを期待する
そうやって
二人は 綺麗な世界でぼやくんだ


ガスの膜で ぼんやり輝く星の夜に
街が流れて 受動的に重ねる日々の中で



「あ、でも意外とおいしい」
長いスプーンをクルクルさせて
君が笑った

それを見ながら
僕はまたカップを口に運んで
ほろ苦く・・・

頭の中で 言い聞かせるんだ
「これも意外といけるかな」と。



  
by Shogo Suzuki