16歳の少年、ジャマールの世界。
彼が切り開いた生きるための世界。ロンドン行き。
彼は「富」を夢見たのではなく、浮標の先に「生」を見出した、と思う。彼の世界が、「ぼく」たちと同じ、IN
THIS WORLDだと思えることで、少しは何かが変わっていくのかと思う。イタリアの町で物売りをするジャマールを見て、ぼくが見てきた「世界」の子供たちを思い出した。彼らには彼らのバッググランドがあり、生活がある。ただ怪訝な顔をして「ノー・サンキュー」と言っていた僕自身、この映画の中に登場していたら、それを客観的にみてどう思っただろう。それを考えて、行き着いた答えで、少しは何かが変わるかな。