可憐
計算し尽くされた、可憐


足して 引いて 掛けて 割って


割り切れないのに またそうやって


咲いている




風に押されている


なのに泳いでいる


ぶつかって、揺られて


ふらふらしながらも 毅然で


泣いてもいいのに 泣かない


ここから見てると、ほんと可憐




大きなものの中で


小回りのきく計算を


公式になんてせず


心で、動いている


気持ちで咲いているんだ




世間は、


なのに青空だから ずるい


知っているのに 教えないモノで 溢れている


愛でていると吹聴して


全部を 憎い に すり替える


そして、ざまあみろ、と


嗤っている




手を差しのべて


一緒になって


区切られた時間の中で


楽しみたいけど


おそらく それは出来ない


たぶん 僕 しか


気づいてないからだ




山は山で 川は川


普通であふれた日常だ


ただフラットに


嘘臭く 綺麗


ペラペラと日和見的に


普通の綺麗が我が物顔で


一番前のいい処で息をしている




心のまんま


計算をしては 明日を乗り切ろうとしている


揺られる君が


だから とても「可憐です」。




  
by Shogo Suzuki