loser
こめかみに押しつけた人差し指
上に向かって伸びた親指が反る
微動しては熱を持つ借り物の体
ただは親切なる道案内に化ける
掃き、拭き、輝けと願い
とき、すでに遅しと、告げる
まだまだと踏みしめるべき大地はもろく
ろくに役にも立たない紙切れで風を切る
掴むべき対象。握るべき質量。
愛想笑いの術。繋がるべき先。
吹き溜まり・・・
全ての現実から伝わる明晰な言葉
それは、悲しく、強く、不変
loser
ただは親切なる道案内に化けた
loser
ケラケラ照りつける太陽も笑う
だからどうしろというでもなく
何も壊さず残すなと命じられる
loser
最後ぐらいは静かで可憐を繕う
道案内を無事に終えたら
殻無き果実は昇ってゆくよ
僕はloser
絞りしたたる果汁だけを
・・・その証に。
loser
ただは親切なる道案内として終える