野道まっすぐ花満開
雨です。

嫌です。


濡れるし

寒いし

傘だし


タイルで滑って

転ぶ人で混むし

押すし

それは押されるからで

それも分かってもらえないし


雨です。


青空に

紅葉と山の緑と相まって

いじった秋の

デジタルな野道


まっすぐ一本道


仮想空間の

きれいな何処かで

満開の花を



例えば

この地下道から上れば

ワープすればいいのに


暖かい朝、なのに


雨です。

嫌です。



ピョンピョンと紐がはね

機械的な便利が絡まって

ひとかたまりのコンクリート


外は、まだ、雨です。


それだけが確実な今日から

あの野道へ

まっすぐ一本道の満開の世界へ


靴紐をかたく結んで

行こう。


つまりは

これから向かう今日も

昨日とは違う一日で

考え方次第では

満開でしょ?


蝶々みたいな

粒と粒がひとつになって

ひらひら

舞うように風


冷たく

切ない


けど

一粒 一粒、 粒々に散らばり

フワッと覆う景色が


この向こうの光が


階段を、上って、行く



  
by Shogo Suzuki