さくらみち
漏れた言葉で ふと
気がついた
僕は 溢れそうな「普通」を
こんなにたくさん 抱えている
暇だから 散歩道
暖かくて あくびして
手をつないで 歩いている
満開を越えた 桜の木々から
残った花びらが 舞い散る
道は、桜色。
小さな川面も埋め尽くし
向こうの土手の緑はすでに
ぽかぽか陽気に照らされて
穏やかな ピンク色だ
思い出すなら
こんな日だろうな、と僕は思う
スエットパンツにトレーナー
サンダルを引きずって歩いた
こんなにも普通の
じんわり幸せな
とても柔らかい青空の朝