サンカク
枝分かれしつつ
上へ 上へ 伸びる桜木

冬の晴れの風の日に
僕は見上げて躊躇する

落ち葉もない公園の
朽ちたベンチにひとり

○か×か、と呟いては
冷たい風に吹かれている

その上から陽を浴びて
動けずにいる

ただ、ここにいる

○も×も挙げられず
△のままでいるから
益々尖って調和できない
周りを傷つけては
イガイガと……

この分かれ道、
○か、×か。

どちらかを挙げないと進めないなら
どちらも放り投げて眠ってしまいたい

あぁ
冷たい風が吹いている
その上から差す陽が

やけに、生ぬるい。



  
by Shogo Suzuki