さらさら
きゅぎゅ、と
空気が こすれる
一歩 一歩
踏みしめている のに
一時停止のような
軽やかに 重くて ぎっしりと
ただ 雪だけ
さらさら、とね
あまりにも 白く
徹底的に 静寂
歩いているようで 止まっているのか
止まっているようで 歩いているのか
考えているようで 感じているのか
感じているようで 考えているのか
ほら、また
新しいところで
きゅぎゅ、と
空気が こすれる
頬を切る風
しびれる体の先端
今を感じて 今日を考えた
今日を止めて 明日へ歩く?
さらさら、と
ただ、ね
一回、真っ白にリセットしようかなんて
考えなくもないけど・・・
しゃん。
後ろから
キミが投げた 雪ボール
ぼくの背中に 当たって砕けて
振り返って
思い切り笑ったら
戻ってきた
ココで ふたりで 笑ったら
動き出した
世界が、さらさら、とね
とても 美しかった