アカデミー、ゴールデングローブ他、賞という賞を総なめにした印象のアニメ版スパイダーマン。アメコミをものすごく洗練したアニメーションにしたという感じで見ていて気持ちがいい。スピード感、音楽、グルーブ、どれもが個々に主張していて、そのハーモニーをとるのはストーリーだ。

異次元に、それぞれのスパイダーマンがいる。冒頭、ピーター・パーカーのスパイダーマンがあっさりと死ぬな、と思っていると、マイルス・モラレスという少年のスパイダーマンが物語の軸を取り始める。時空を操作して、死んだ家族を呼び戻そうとする悪者がいて、そこに立ち向かうヒーローもの。ある日、死んだはずのピーター・パーカーが。

彼は、違う時空で、人生に失敗したピーター・B・パーカー。他にも、時空を歪めたことによって集結したスパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール(声はニコラス・ケイジ!でも私は小学3年の息子とみたので吹き替えの大塚明夫氏)、スパイダー・ハム、そして、日本アニメ?のペニー・パーカー。

一人の少年が、ニューヨークのブルックリンを舞台に、「スパイダーマン」として成長していく物語。父親との確執、慕っていたおじさんとの関係、そしてスパイダーマン達との関係。ピーター・パーカーの母親が勇ましく、アメリカンコミック的な実験室が突如出てきたりするのは、なるほど、まぁそういうことだが、それでも、やはり映像美と音楽がずば抜けている。

個人的には、マイルスが自分でペイントしたコスチューム、黒いスパイダーマンが好きだ。絵的にも力を持っている。長編アニメなので、ストーリーが重要である。その長いストーリーの中に、これだけの多彩な要素を詰め込んで、緻密に組まれると、何度もリピートして見たくなる。

やはり、スパイダーマンが、好きだ。
見終わってすぐのメモ、走り書き、
「音楽、アニメのタッチ、アートでファッショナブル。黒のスパイダーマンがかっこよすぎ」



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スパイダーマン:スパイダーバース
2018年(アメリカ)

監督:ボブ・ペルシケッティ
   ピーター・ラムジー
   ロドニー・ロスマントム・フーパー
製作:アビ・アラド
   フィル・ロード
   クリストファー・ミラー
製作総指揮:スタン・リー
      ブライアン・マイケル・ベンディス
      ウィル・アレグラ
原案:フィル・ロード
脚本:フィル・ロード
   ロドニー・ロスマン
音楽:ダニエル・ペンバートン