システム
A→B→Cは 順番通りにシステム
昨日今日明日の 時間割もシステム
泣いたあと 笑えるまでも
おおよそ予定通りの 空腹も
みんな、システム。
そんな現代社会で
ぼくは予定時刻に地球の裏側に行き
やはりでかいことを実感したりする
退屈な高速ジェット機の中
それもぜんぶ システムだ
システム&システム
積み上げて高層化した不安定な屋上
そこで ぼくらは あぐらをかいている
あくびして 眠って起きて また眠るまで
複雑に絡み合った
容易なシステムの中にいる
信号機のような明白さで
止まれ、進め、の指示を待っている
自動ドアを 手で開けた感触
止まったエスカレーターを
駆けのぼる違和感
当たり前のように動いている
一つひとつが
ある時 止まってしまうと
違和感を撫で回して
全部 諦めたくなるだろうな
白紙に戻して 狩りに出たくなるかも知れない
そんな空想世界で生きる夢をみながら
その術さえ知らない現実に愕然とする
愕然としては便利に甘えたまま
システム、システムと愛でるんだ
簡単操作で動く百万馬力を手にした者が
スイッチの前で不敵に嗤っていても
話しかけることすらせずに
それを上回る千万馬力をこしらえようとして
また新しい スイッチを作る
赤信号の前で ぼくは 考えている
青信号になれば進むつもりだ
これまで通り
このシステムの中を。